陶磁

バンコク国立博物館2016ーその3・バンチェーン遺跡

タイ東北部のバーンチェン遺跡にて出土。紀元前300年〜AD200年 1960年前後に偶然発見された遺跡で、後期となる彩文土器。 特に渦巻文様は大胆で伸びやかな幾何学文で注目されているが、 これら土器や青銅の発掘により世界遺産となっている。 直接描かれた彩…

桃山陶-多治見市美濃焼ミュージアム

「た禰さんからの贈り物」 故・加藤た禰は、膨大な桃山陶を「電燈所 た禰コレクション」として寄贈した人物で、 その郷土愛から収集した 黄瀬戸、瀬戸黒、志野、織部など美濃の名陶をたずねる。 黒織部茶碗 三角文と格子文、内面に吊るし柿文。 外側には、大…

弥生の絵心・絵画土器の出土

岐阜県大垣市昼飯町「東町田遺跡」から出土。胴24cmX高さ25cm 弥生から古墳時代とみられ、墓の周囲の溝から見つかったことから葬送の儀礼に使用されたとみられる。 興味深い「癖邪視文(へきじゃしもん)」 口のへりの内側で両手を挙げている人物は呪術師とみ…

静嘉堂美術館その3 揺れる網干し文様 銘・うたたね

揺れる網干し文様 織部の魅惑的な文様を発見し凝視させられる。「うたたね」の銘にも魅惑的で引き付けられる! 黒織部茶碗 銘「うたたね」17世紀・桃山時代 9,7x10,4cm 漆黒の黒釉を掛け外してできた三角の窓に鉄絵文様(鬼板と呼ばれる鉄絵具)を施し、長石釉…

静嘉堂文庫美術館その1 曜変天目・油滴天目

世界に3点しかなく、最も美しいと言われる奇跡の茶碗ー曜変天目を観る。静嘉堂文庫創立120周年美術館開館20周年記念・受け継がれる東洋の至宝・茶道具の美 世田谷・二子玉川の近く、英国式建築の静嘉堂文庫と美術館前。円形の池をとりまく車寄せが優雅。 大…

静嘉堂美術館その2 付藻(つくも)茄子と松本茄子(紹鴎茄子)

静嘉堂美術館にて、念願の加茂なすの形が印象的で、天下人の垂涎であった「茄子茶入」に出会う。 織田信長―豊臣秀吉―徳川家康に愛でられた「付藻(つくも)茄子]と「松本茄子」は、大阪夏の陣(1615年)で 大阪城とともに消失したかにみられた。しかし徳川家康…

野々村仁清・水玉透鉢と牡丹雪

畠山美術館(東京・白金台)の25年冬季展(仁清・乾山・光琳)1月19日〜3月20日 水玉透鉢 [野々村仁清・江戸17世紀」が、柔らかい自然光のもとで展示されておりありがたい。、 口縁は五弁からなる輪花鉢の形状なのだが、牡丹雪がゆっくりと降りそそぐ風情とは…

瓶子(ビンシー)と沖縄ヤチムン(焼き物・陶器)

瓶子(ビンシー)と呼ばれ、高台が裾広がりの独特でシンプルな形にひかれる。 美酒(ミキ)を入れて御願(ウチマー)など神前、仏前に供えるのに使用し、一対として祭りや婚礼など祝いにも使われたらしい。 先祖崇拝や御願(ウガン)が盛んな沖縄で、瓶子にも、…

仁清の水玉透鉢・利休と織部・畠山記念館

「利休と織部」とタイトルされた展覧会、これは見落とすわけにいかないと〜。 東京港区白金台の畠山記念館 水玉透鉢 野々村仁清 江戸 畠山記念館・蔵 あこがれの野々村仁清の透鉢を発見。かつて、滋賀のMIHO美術館にて、仁清の透鉢を知り、その造形に感服し…

武将茶人・上田宗箇の世界展

「ウツクシキ」を掲げる美意識をもつ、戦国武将の大胆な箆(ヘラ)や鉈(なた)による強靭な創作や 造形に会いに行く。同時代の織部、唐津、美濃、伊賀など優品も多く展示されており堪能と眼福。 釘抜き紋が絶妙な黒織部茶碗。箆(ヘラ)で釉薬を剥いだ平らな菱形…

琉球 3 ・読谷山焼の里

読谷村にやちむん(焼きもの)の窯場を訪ねる。 ユニークな青と黒のシーサー。 数年前にお訪ねした大嶺寶清氏の工房・ギャラリーを、お手伝いした経験をもつ県芸絵画の助手と再訪する。 幸いなことにお会いでき、タイ国の陶器や陶土について、興味深い話をう…

茶碗・今を生きる

創業400周年・開館20周年記念展とのことで見ごたえ充分。 総数80点の茶陶・名碗を観る 長次郎の筒茶碗には垂涎。今回は口縁(口辺)の山道風の形状に凝視させられる。 わたくしには、すこし険しい山道かなと! ここまで起伏を、とは感じるが魅惑される。 な…

読谷窯と根来盆

根来塗角切折敷(すみきりおしき)盆には、酒器でなければと… 灰釉の泡盛角瓶と猪口は、'05年に読谷山窯の大嶺實清氏の陶房を、沖縄県芸の友人に紹介するよと 連れられ、お訪ねした時に求めたもの。大嶺氏は、沖縄芸大学長を辞められた直後で悠々とされ、 美味…

雨雲と時雨など名碗

絢爛たる桃山の文化.特に慶長年間にそそられる私には魅惑的なタイトルの美術展だ。 建築、調度、屏風、南蛮、聖龕(せいがん)、蒔絵など、豪華潤蘭。そして陶器へと― 志野・織部の美濃焼を「織部の席巻」として、地元ならではの優品がオンパレード。 「へうげ…

傘に鷺文

飛来した鷺を、なにげなく望遠で撮影してみましたが、志野織部の器に描かれた文様で「鷺」があ るのを思い出し、UPしてみましたところ、やはり、なかなかに意味深で面白い。 蝙蝠傘とミシンの出会いもよか、しかし、傘と鷺の出会いもシュールで、ロートレ…

扇面形向付

この春に、月に一度、開かれる古市で、なにげなく入手した志野焼きですが、 まさかとは思うけれど、日がたつにつれ、古いものかもと悩ましくなっている「シロモノ・白もの」 見込みには、葦文、意外にも、繊細に描かれた穂先。葦の葉が風に揺れなびく姿は、 …

川喜田半泥子のすべて展

半泥子(1878−1963年)の雅号は、「半(なか)ば泥(なず)んで、半ば泥まず」だそうで、 今一つの雅号は「無茶・無茶法師」。 銀行の頭取など務められた財界人とは、ギザ驚愕ですが、 初めての全貌にふれられる作品群に、時間を忘れて魅了され、泥眼は覚醒…

仁清の透鉢(すかしばち)

野々村仁清の「かのこ」。しかも大胆な「透かし」 江戸時代初期に、この「ドット」、「かのこ紋」、「円孔」に驚愕。 野々村仁清の色絵は有名だが、この白釉はシンプルで、口縁は八角形らしいのもニクイ。 透鉢(すかしばち)の優品を多く残す尾形乾山の師である仁清…

ぼた餅(牡丹餅)

牡丹餅(ぼたんもち)と呼ばれる丸い文様 ぼた餅は、牡丹の花からとは、棚からボタ餅。 三日月形の口縁や、紫褐に焦げた肌に、黄色胡麻釉の散らしもニクイ。 素通りできない出光美術館(東京・丸の内)「日本の美3・茶」展で、所蔵の優品に出会う。 山椒の殻の割…

吹き墨・香港藝術館

香港を訪ねた時(2年ほど前)。香港藝術館に行きましたが、陶磁器の部門は、さすが、 歴史の厚みに圧倒され、クギずけにさせられる美術品に出会いました。 抽象表現主義的なタッチ、どうも直接には筆をおいたようには見えない釉薬の流れと滲み、 キャプション…