バンコク国立博物館 2016ーその1・ドヴァーラヴァティ

バンコク国立博物館を再訪する。3年前、初めて訪れた時とは、やはり展示室の変更などがあり、
メインの仏像・彫像などは、入り口近くの改装された大空間に、スポット照明され集められている。
かっての適度な広さの部屋に散見され、カーテン越しの自然光での佇まいが懐かしい。


再会を最も楽しみにしていた仏像

ドヴァーラヴァティー様式(7〜10世紀)の如来立像 プリラム県出土 青銅 高さ109cm
左右が繋がった弓形の眉、膨らんだ長いまぶた、小鼻の張った小鼻、
厚く肉感的な唇は両唇翼は上がって微笑み神秘な印象を与える。
この時代、タイの中部を占めていたモン族の理想美とした相貌であり、
土着的要素とアルカイックな顔貌は特徴的で魅了されている。


仏陀立像 アユタヤ ワット・ナープラメーン出土 石灰石 高さ173cm
大きく平たい螺髪(らほつ)、小ぶりで円錐形の肉髻(にっけい)など、そしてその顔貌と、
典型的なドヴァーラヴァルティー様式の仏陀像。



観音菩薩テラコッタ 6〜8世紀 高さ91cm
頭上には、もともと化仏があり、手には水瓶を持つことから観音菩薩像とされる
インドの 後グプタ様式の流れをくむが、微笑みを浮かべた肉厚な口唇など、
ドヴァーラヴァディー期特有のまざなし、そして軽くひねった姿は「トリバンガ」と呼ばれ、インド美術における、
頭・腰・脚の3ヶ所を曲げた人体表現(3屈法)をしており優美である。