多度・鯉料理大黒屋・折敷入角盤


上げ馬神事で知られる多度大社の旧参道に、山を背景とした見過ごせないこの構へ。

創業280年の鯉料理専門の老舗で、なんとも風格ある佇まい。

玄関・エントランスは、中庭を眼前に、風が吹き抜ける、ゆとりある贅沢な空間で、いつも驚かされる。
この突き当りにスリッパが並び、左にまがり渡り廊下にそって客室に、右側奥には、古えの帳場。


中庭には渓谷を思わせる池。透明な湧水で透きとおり、底に鯉が泳ぐ。1,8mの深さだそうです。

昼食は、雪見障子越しに庭をみながらの至福。
養老山系の泉水で清められた真鯉の「洗い」を酢味噌ではなく、あえて、山葵とは嬉しい。
冬瓜冷しあんかけの突き出しは賞味してしまい、ウロコのから揚げと南蛮漬けは半分賞味した後の写真。
麹(こうじ)味噌の「鯉こく」は、筆舌(ひつぜつ)に尽くし難(がた)い絶品のまろやかさ。



渡り廊下や、坪庭など丁寧に管理され、日本建築の清楚な素朴さやゆとりが素晴らしい。
ガラスの意匠は、室町時代折敷入角盤で、入角(いりずみ)型からきており、
入角盤の角が花型は、きわめて貴重なのだが、このように使われているとは驚きの発見!
参照;http://www.masumida.or.jp/takara/wan.html#hassen1
参照;朱漆角切盤/朱漆入角盤/朱漆擎子 附(銅鋺/銅皿)(しゅうるしすみきりばんしゅうるしいりすみばんしゅうるしけいし)