2011-01-01から1年間の記事一覧

琉球 4 のまんじゅう

朱色で「の」と走り書きされた饅頭が、若い人達とのお茶会で出てきました。 月桃の葉に乗り、なんともアッケカランと、素朴な「の」の字に唖然とし 由来も熨斗(のし)の代わりの意とかで嬉しくなります。 「の」の字が焼き印でなく、朱色の手書きで、もち肌…

野見山暁治展

東京・八重洲のブリジストン美術館エントランスにて。 ブリジストン美術館HP;ブリヂストン美術館 「海坊主」1969年 泳ぐ人を俯瞰しているように見え、ハートの形が認められ、眼や心臓にも見えてくる。 このシナヤカな筆勢や運筆には、しばし羨望させられる…

琉球 3 ・読谷山焼の里

読谷村にやちむん(焼きもの)の窯場を訪ねる。 ユニークな青と黒のシーサー。 数年前にお訪ねした大嶺寶清氏の工房・ギャラリーを、お手伝いした経験をもつ県芸絵画の助手と再訪する。 幸いなことにお会いでき、タイ国の陶器や陶土について、興味深い話をう…

琉球2・中村家住宅

沖縄本島の中部に、戦前の石積みがのこる屋敷・建築を訪ねる。 玄関の中央には、沖縄独特のヒンプン(顔隠し塀) 門の右側には風情ある古い琉球石灰岩の石積み。 風通しのよい中庭。 左は、トゥングワ(台所)への入り口。右側は高倉。 赤瓦が美しく。左下に…

琉球 Ⅰ

11月。一年ぶりの那覇に滞在。「琉球は竜宮」にふれる。 首里城の南東に位置する歓会門。守礼の門の丁度反対側なので、観光客もめったに来ない。 新しく修復された石積みのカーブする城壁が優しいけれど、古の石積みの風情は残念ながら階段の一部のみ。 爛熟…

SIMPLE THINGS 展

名古屋市民芸術祭2011 主催事業の「SIMPLE THINGS」 展を観る 野村和弘「untitled(dance)」2002 23x17x28cm ミクスドメディア 野村和弘「1/978」 径13x3cm プラスティック、皮、ガラスシャーレ 田中功起 「123456] 2003 miniDVwoをブルーレイに変換(エ…

ジャクソン・ポロック展

生誕100年ジャクソン・ポロック展を観る。 1946年に移り住んだイーストハンプトンの納屋を改造したアトリエ。 美術館で唯一撮影許可があった原寸大のアトリエ・モデル、靴を脱ぎ立ち入ることが出来る。 アトリエ内に展示されていた塗料。驚くほど多様な製品…

茶碗・今を生きる

創業400周年・開館20周年記念展とのことで見ごたえ充分。 総数80点の茶陶・名碗を観る 長次郎の筒茶碗には垂涎。今回は口縁(口辺)の山道風の形状に凝視させられる。 わたくしには、すこし険しい山道かなと! ここまで起伏を、とは感じるが魅惑される。 な…

朱塗りの座卓

この座卓の朱塗りの色と、脚部の仕様やデザインは、なかなかエレガントで瞠目させられている。 ミースのカンチレバー(片持ち構造)や、コルビジェに囲まれても遜色なく…。 座卓の脚の間にある洲浜の意匠も美しくお気に入り。 サーリネンのチューリップチェア…

マヤのマット・シンボル

マヤ文明には、マット・シンボルと言われる縄を編んだような形が、呪力をもった神聖なシルシとして、 崇められていたようです。日本の注連縄(しめなわ)や幣(しで)に近似した造形が見られ、非常に興味深い。 コパン遺跡で、注目させられた幣(しで)や注連縄(…

ガァテマラ・ティカル遺跡

ユカタン半島のジャングルに忽然としてあらわれるマヤ最大の遺跡・ティカルは、 高くそびえるステップス・ピラミッド(階段ピラミッド)の美しさで知られ、その威容は忘れがたい。 1976年8-9月 ガテマラ・シテイから。 大ジャガー神殿(1号神殿・高さ51m)の上…

民族衣装・チチカステナンゴ

中米のグァテマラ・シティ郊外にある町・チチカステナンゴには、山間の部落から さまざまな民族衣装をまとった人々が集まることで知られる市が毎週たつ。35年ほど前に訪問・撮影 ウイピルと呼ばれる貫頭衣や、コルテ(藍染めの巻きスカート)が、誇りある民族…

マヤの土偶・貝紫・鳥獣

グアテマラ市内の店で入手した土偶。一重の切れ長の目や、高い鼻筋の面長など、マヤ貴族の独特な特徴が見られ、 冠や衣服には着彩がある。ガラスケースに入っていたが、胴や首には継ぎ目があり、手のとどいた値の記憶が! グアテマラ市郊外のチチカステナン…

ホンジェラス・コパン遺跡

世界遺産などで紹介され、新たな神殿が発見されて話題の中米・ホンジェラスにあるコパン遺跡。 最近の画像をみると、重要な石碑などには、屋根がつき、私が訪れた時とは、かなり様相が違い驚かされている。 35年前ですが、最も美しいといわれるマヤ遺跡の…

アフリカのチワラと仮面

チワラ・ChiWaraと呼ばれるマリ共和国・バンバラ族の頭上面。 アンテローブ(玲羊・カモシカに似た牛)で、神話に出てくる農耕を教えた聖霊を象徴している。 豊作祈願の祭礼時に、頭上にかぶり踊る。これは雌で背に子供をのせているが、 この動物は、背に子供…

多度・鯉料理大黒屋・折敷入角盤

上げ馬神事で知られる多度大社の旧参道に、山を背景とした見過ごせないこの構へ。 創業280年の鯉料理専門の老舗で、なんとも風格ある佇まい。 玄関・エントランスは、中庭を眼前に、風が吹き抜ける、ゆとりある贅沢な空間で、いつも驚かされる。 この突き当…

蓮池と風車

National Government Park 国営公園・アクアワールド水郷パークセンター 蓮池があると知らされ出かけたが、思いがけないオランダ風施設の充実に、国営としり驚く。 日本最大の国営公園。木曽三川(木曽川、長良川、揖斐川)下流域一帯、愛知県・岐阜県・三重…

豊田市美術館・童子苑

フェルメール《地理学者》とフランドル絵画展で賑わう豊田市美術館を訪れる。 谷口吉生氏設計の美術館は、夏の日差しを受けやはり美しい。 2階レベルにひろがる大池。かっての城山(童子山・七州城)の上、さらに高く広大な屋上プール。 空中に浮かぶ池泉とい…

一乗谷・朝倉氏遺跡・その2

戦国武将の豪壮華麗な庭園として著名な遺跡を、越前(福井市郊外)の地に訪ねる。 唐門(西門)を内側より 遺跡や名勝に特別とつけば国宝と同等で、やはり管理や整備はすばらしい。 この時代には大変珍しい、四角く区切られた中庭の花壇が手前に見える。 花壇の…

一乗谷・朝倉氏遺跡・その1

戦国武将の豪壮華麗な庭園として著名な遺跡を、越前(福井市郊外)の地・一乗谷に訪ねる。 領主・朝倉一族が100年にわたり居城とした一乗谷近辺は、近年の発掘や復旧が進み、 庭園や館、城下町、武家屋敷、巨石の城戸や山城、寺院と町屋などが国の特別史跡であ…

30種1000匹・弥富金魚

人だかりする巨大水槽に、乱舞する高級金魚がひしめき、 初めて見たり、接する金魚の世界に足が止まり、しばし見とれる。(JR名古屋駅・名古屋高島屋ロビー) 「サクラニシキ」と目が合う。 なぜ「江戸錦・エドニシキ」と名ずけられたのかな〜 中国から琉球(沖…

旧秀隣寺庭園・興聖寺

琵琶湖西岸の朽木(くつき)の里にある興聖寺に戦国武将の庭を訪ねる。 伊勢・美杉村の北畠氏館跡庭園と同じく、管領・細川高国(1484-1531)が作庭したと言われる 旧秀隣寺庭園(足利庭園)は、屈曲した汀線と、豪快な、武将ならではの絶妙な石組で知られ、国の…

毛越寺・遣水・常行堂・洲浜

平泉・毛越寺( もうえつじ)が世界遺産に登録され喜ばしい。この平安・浄土庭園は、池の際・稜線の洲浜が実に豊かな曲線で、 勾玉状の入江がある中島の洲浜も美しい。2006年に訪れた画像から。 後方に築山と荒磯の岩組。柔らかい曲線から出島と飛び島・立石。…

諸戸氏庭園 2・襖絵

庭園内の「御殿」にある襖絵には,瞳目させられ忘れがたい。 「御殿」は、明治23年から数年による建造。池庭を俯瞰するかのような高い床。そして低い水面。 水面から4〜5Mはあると思われる、かなり高い縁台だ! 御殿に続く玄関広間の見事な波涛図に驚く。2008年…

角箸と味噌煮込み

かっての1センチ角の太い角箸(かくばし)が、久しく出てこなくなり残念に思っていたのだが、 たずねると、復活したらしく、出していただけ感涙。30年ぶりの再会。 かって、母校の前津中学分校(現・ロフト名古屋)横にあり、蕎麦党の私も思いだしたかのように足…

諸戸氏庭園 1

室町時代には、すでに庵や庭園があった桑名市の「諸戸(もろと)氏庭園」を訪ねる。 カタカナで「モロト」と書かれた、明治27年に建てられた大門や本邸の瓦の紋。今でも斬新。 諸戸清六氏は、一代で財をなし、全国長者番付一位となり、山林王とも呼ばれた明治の…

泰山木の花

この純白の花には、なぜか魅了されている。 太古から変わらぬ原始の花。Magnolia(マグノリア)と呼ばれる芳香を放ち 泰然としているのもよい。大盞(盃)木、白蓮木とも書き 花弁が盃ににているのに魅かれるのかもしれない。 今年は、梯子かけで摘み取り、ジッ…

長沢芦雪の落款と波涛図

右上が欠損して、自由に泳ぎまわれるとされ、愛用した、こだわりの朱文氷形印 氷の形とも、亀甲や花にも、綿菓子にも見える愛らしい落款で、芦雪のお気に入り度が想像できる。 左上は、銅製で、朱肉との相性は良くないらしいが、新し物好きなんだヤハリ。 芦…

長沢芦雪の富士山噴煙

「芦雪―奇は新なり」展を、信楽の地・MIHO MUSEUMに訪ねる。 香港の中国銀行ビルには見とれた建築家I.M.ペイ(イオ・ミン・ペイ)氏の設計。 ルーブルのピラミッドに共通するコンストラクション、そして、トラバーチンがミゴト 意外にも、若い人達が多く、「カワ…

読谷窯と根来盆

根来塗角切折敷(すみきりおしき)盆には、酒器でなければと… 灰釉の泡盛角瓶と猪口は、'05年に読谷山窯の大嶺實清氏の陶房を、沖縄県芸の友人に紹介するよと 連れられ、お訪ねした時に求めたもの。大嶺氏は、沖縄芸大学長を辞められた直後で悠々とされ、 美味…