茶碗・今を生きる

創業400周年・開館20周年記念展とのことで見ごたえ充分。
総数80点の茶陶・名碗を観る




長次郎の筒茶碗には垂涎。今回は口縁(口辺)の山道風の形状に凝視させられる。
わたくしには、すこし険しい山道かなと! ここまで起伏を、とは感じるが魅惑される。
なんだか、富士の火口めぐりを思い出してきたな!

昨秋、名古屋市博物館では、光悦の「雨雲」と「時雨」が同時に展覧され印象的であったが、
この「村雲」にも、光悦の名刀に通じる美意識や嗜好が漲(みなぎ)り、いつも感銘させられる。
参照;雨雲と時雨など名碗 - 原健 ブログ

今回、一般に初公開されている光悦の白楽茶碗。白釉では銘「不二山」(国宝)が有名だが、
これも、立ち去りがたい「しろもの」。はじめて目にするせいか、凌駕するような新鮮さで新冠雪だ。


百合の蕾(つぼみ)か実のような植物と雷か山のような鋸歯文が絶妙。
口辺の歪みとうねり。造形の「ひょうげ(へうげ)」に感嘆。

川喜多半泥子の世界には心酔させられっぱなしだが、
この銘「渚」の釉景色にしては、あまりの釉のしたたりや釉溜まり。どのように着けたのかな!見込みにも感嘆!
参照;川喜田半泥子のすべて展 - 原健 ブログ
図版転載;「茶碗・今を生きる」展覧会図録2011年より