2010-01-01から1年間の記事一覧

アユタヤ様式の仏像2

片足の裏を上に向けてすわる半跏趺座(はんかふざ)の座禅式に、 右手を地に触れるような触地印(降魔印)を結ぶ坐像は タイの仏像に、最もよく見られる定番のようです。 台座は、ウスをつぶしたような単純な形とあり、まさしく、これのことでしょう。 スコー…

スコータイ様式の仏頭

タイの仏像によくみられる頭頂部に、タイ語で「ラッサミー」と呼ばれる火焔状の装飾を戴き、 放射されている光をあらわしています。 髪の生え際を細い帯状線が巡る特徴をもつウートーン様式もみられるが、 頭の螺髪(らほつ)の、ひとつひとつが小さく作られ…

沖縄・おもろまち気分

那覇副都心・おもろまち駅前。この時期に満開の「トックリキワタ」 別名 スペイン語でヨッパライノキ の堂々たる威容。 南米のボリビアから持ち帰った種から植栽40年、街でも、よく見かけるようになった。 この木が最初の一本らしい。庭で大きくなりすぎ、こ…

首里円覚寺・放生橋

沖縄芸大絵画棟前から眺める、ライトアップされた首里城。沖芸のロケーションは、いいんです! ほぼ同じ位置から、円覚寺越しの眺望。右は復元された円覚寺の山門。 戦前まで、国宝に指定されていた放生橋。欄干などの彫刻やレリーフが 精緻で貴重な橋。沖縄…

母たちの神・比嘉康雄展

かなりの眼力で、にらみをきかすシーサー(獅子・シーシー) 軟弱なシーサーが多いなか、こうでなくては! 沖縄・那覇に6日ほど滞在する。 県立美術館では、かって求めた写真集の 写真家・比嘉康雄の没後10年を記念した展覧会が開催されていた。 最も注目し、…

アユタヤ様式の仏頭

このごろ、タイの仏像や神像にハマり、ますます魅了されている。 タイには、多くの王朝による盛衰の歴史があり、カンボジヤのクメールなども含めて、それぞれの様式に富む。 そして、実にバリエーションが多い。 チベットやインドに比べ、親しみやすく優しい…

ネパールの仏頭

端正な顔立ちで、如来相の特徴である螺髪(らはつ)も見事だ。 額の中心にある白毫(びゃくごう)は、左回りの螺旋状の白い毛で 伸ばすと1丈5尺(約4.5メートル)あるとされるそうですが、 はっきりと判る形で刻印されており気になる造形でもあり、求めた理由の…

唐風の仏頭

10年ほど前に、那覇市やちむん通りの骨董店で、見つけた小さな石の仏頭。 懐中仏ではないかと言われたけれど、それにしては重いなー! やはり、大陸、唐風の美人。中国のものなのでしょう、時代は不明。 その後、時間とともに、気に入り愛着がましている。…

馬乗り狐

縁があって、素通りする逸品・伏見人形ですが、馬にのる狐とは、気になる。 火にまつわる稲荷神社の深遠な意味もあるらしく、大津絵にも同じ画題が〜。 かって、伏見稲荷を訪ねたおり、通りすがりに偶然見つけた伏見人形店は格式が高く、 ガラス越しに、古い…

ドローイング コミニィケーション展

名古屋造形大学のギャラリーにて、沖縄芸大などとの交流展に参加し、 ドローイング一点を展示する。 飛華ASUKA-2004 76x57cm アルシュ紙・ 鉛筆、パステル、アクリルガッシュ 飛華(あすか)と名ずけたシリーズで、これは、蓮の葉とのダブルイメージ。

錦絵の黄金時代ー清長、歌麿、写楽

名古屋ボストン美術館 5万点にのぼる、貴重な浮世絵コレクションで知られるボストン美術館の名品から、 清長の優品38点。歌麿の優品56点。写楽21点など約140点が展覧されている。 鮮やかな発色が保たれ、錦絵と呼ぶに相応しい黄金時代の作品が競演…

雨雲と時雨など名碗

絢爛たる桃山の文化.特に慶長年間にそそられる私には魅惑的なタイトルの美術展だ。 建築、調度、屏風、南蛮、聖龕(せいがん)、蒔絵など、豪華潤蘭。そして陶器へと― 志野・織部の美濃焼を「織部の席巻」として、地元ならではの優品がオンパレード。 「へうげ…

傘に鷺文

飛来した鷺を、なにげなく望遠で撮影してみましたが、志野織部の器に描かれた文様で「鷺」があ るのを思い出し、UPしてみましたところ、やはり、なかなかに意味深で面白い。 蝙蝠傘とミシンの出会いもよか、しかし、傘と鷺の出会いもシュールで、ロートレ…

愛知60年代の美術展

1968年からの初期作品など40年ぶりの展示にめぐまれました。 左から、1968年 NO TITLE-B(cross work) / リトグラフ 1969年 GRADUATION-CROSS / キャンバス・着彩 1971年 RELATIVITY 2-A / メタルプリント・銅凸版 1969-71年 GRADUATION / リトグラフ 196…

白もの

この夏に。なぜか「白もの」が身近で目にとまり。 ホワイト・ゴーヤ、ご近所からのいただきものですが、自然・神のはからいによる、みごとな創造にマイッタ。 古市(名古屋骨董市・夏)で、つい手がでてしまった、中国か、北朝鮮の白磁の水差し、 貫入が美しい…

扇面形向付

この春に、月に一度、開かれる古市で、なにげなく入手した志野焼きですが、 まさかとは思うけれど、日がたつにつれ、古いものかもと悩ましくなっている「シロモノ・白もの」 見込みには、葦文、意外にも、繊細に描かれた穂先。葦の葉が風に揺れなびく姿は、 …

アマガエルの緑

正式名はニホンアマガエル。よく出会うのだが、撮ってみて、あらためて驚かされるのは、 この鮮やかで、やわらかな美しいグリーン・緑。 ビビット・ライム・グリーン 植物意外で、この鮮明なグリーンとは、やはり珍しく感嘆させられる。 日本の色名では、萌…

俵屋・扇

俵屋宗達・扇面貼交屏風六曲一双・出光美術館蔵から 朝顔扇面図のたらし込みによるムラ雲を、パラパラと開く扇にして確認したいと試作。 やはり、順次展開するたらし込みの帯には、扇のもつ造形の妙味を堪能させられる。 この扇面図には、折目は認められず、…

宗達・朝顔と杜若

宗達にも朝顔図があったはずと探してみました。 俵屋宗達・扇面貼交屏風(六曲一双・出光美術館蔵)部分 この見ごたえある屏風には、二十の扇面が散らして貼り付けられているが、 朝顔図の左上には、花弁が8枚の、泰山木らしき花の扇面があり驚かされる。 この…

香包・豪華みやび

光琳筆とされる香包(こうつづみ)3点も、折り目跡にそって作成してみました。 香道の世界・香を聞く席では、いっさい、匂いのする生花は禁じ、静かな光のもと、 掌のひらの上で、上下右左と順次広げられる香包は、絹地に金箔・箔押しされており、 輝き煌め…

香包・朝顔図

この夏、朝顔の美に惚れ直させられ、日本の朝顔を愛でる感性を再認識しましたが、 光琳のなかなか秀逸な香包の朝顔図。残念ながら海外でのコレクションですね! しかし、宗達の移り香がプンプン。 香包(こうつづみ)は、香木を包むためのパッケージであり、包…

宗達と桔梗

複写転載;大和文華館名品図録1995 俵屋宗達による桔梗・ききょう。銀泥で描かれた花弁は、垂らし込みの表出をみせて、たゆたゆと おおらかに温雅です。そして、薄(ススキ)の弧は、伸びやかに、まさしくストローク、そして、光悦の 肥痩の運筆との妙には感嘆…

セミ撮り

やたら、はげしい蝉の声に、庭ずたいにでてみると クマゼミ 翅は完璧な透明で脈はグリーン、生きている時は、こんなにも美しいだ。 あこがれの熊ゼミが2頭もいるなんて これがアブラゼミ やはり、美しい翅をまとっている。葉脈のようなグリーンがスゴイ。 …

泰山木

7月初めに咲いた泰山木の花、 花言葉は「威厳」「威風堂々」とあり、あなどれない、 古代の風格や薫りをもち、なかなかに見ごたえあり、蓮の花にも似て凛として気高く、 泰然としている。持ち上げすぎか! 花姿や花弁は、盃に似るとある、なるほど… 昨日、こ…

夕顔

いただいた夕顔の苗を、おおきめの鉢に植えて見事に咲きました。 これが「源氏物語」や「能・夕顔や半蔀(はしとみ)」で知らされる幽玄なる夕顔の花なのかと! 妖艶でもあり、清楚でもあり、夕闇に咲いているのを発見した時には、一瞬、瞳目、ひきよせられる。 …

川喜田半泥子のすべて展

半泥子(1878−1963年)の雅号は、「半(なか)ば泥(なず)んで、半ば泥まず」だそうで、 今一つの雅号は「無茶・無茶法師」。 銀行の頭取など務められた財界人とは、ギザ驚愕ですが、 初めての全貌にふれられる作品群に、時間を忘れて魅了され、泥眼は覚醒…

画家・銭選(せんせん)の「牡丹図」と「官女図」

かって「能・石橋」の勇壮な紅白の牡丹を見て以来、ますます気になる存在の花ですが、 以前から上野東照宮の牡丹園は、時期になると素通りできず、寒牡丹や春牡丹をのぞいては、 この東洋でもてはやされる花の魅力を探っていた。 今回の徳川美術館では、なん…

仁清の透鉢(すかしばち)

野々村仁清の「かのこ」。しかも大胆な「透かし」 江戸時代初期に、この「ドット」、「かのこ紋」、「円孔」に驚愕。 野々村仁清の色絵は有名だが、この白釉はシンプルで、口縁は八角形らしいのもニクイ。 透鉢(すかしばち)の優品を多く残す尾形乾山の師である仁清…

ぼた餅(牡丹餅)

牡丹餅(ぼたんもち)と呼ばれる丸い文様 ぼた餅は、牡丹の花からとは、棚からボタ餅。 三日月形の口縁や、紫褐に焦げた肌に、黄色胡麻釉の散らしもニクイ。 素通りできない出光美術館(東京・丸の内)「日本の美3・茶」展で、所蔵の優品に出会う。 山椒の殻の割…

「かのこ斑点」と「連銭(れんぜん)型紋」

馬に描かれ斑点や斑(まだら)紋が、「かのこ紋」との関連で思いだされる。 この作品は、この春の長谷川等伯展で見ためずらしい「牧馬図屏風」部分 ミゴトな駁毛(ぶちげ)、まだら馬、描画技法「たらし込み」で出来る形状だ。 かなり思い込みのある描出なのだが…