傘に鷺文


飛来した鷺を、なにげなく望遠で撮影してみましたが、志野織部の器に描かれた文様で「鷺」があ
るのを思い出し、UPしてみましたところ、やはり、なかなかに意味深で面白い。
蝙蝠傘とミシンの出会いもよか、しかし、傘と鷺の出会いもシュールで、ロートレアモンも脱帽かも!

傘や笠は、神事や祭りでも、重要視され、神の降臨や依代(よりしろ)の象徴とされているが、
鷺も、この純白からなのか神聖視され、傘の下にいることで、神の影向(ようごう)
や気配を表現しているのでしょう。
しかし、鷺の表情が洗練されていなくて、なんとも摩訶不思議で素晴らしい。
写真の鷺は、一本足で立っていてくれたら、より神格化されたのに…
しかし、後ろ姿は、蓑(みの)と同じ形に見え、蓑は、依代(よりしろ)の象徴として
神話化されたキイワードとなっており、興味つきない。
上の器には、神がやどる揺籃する柳、シェイプドされた形態は、洲浜のようでもあり、
感嘆と垂涎ものだ!
転載:2007年「志野と織部」展図録・出光美術館