左巻・法螺貝「トゥンカル-Dung dkar」その1


貝殻の白、純銀に深く精緻に刻印されたチベットの文様など魅惑的な造形。

チベットラマ教での宗教儀式に欠かせない法具で、トゥンカル(Dung dkar)と呼ばれ、「白い法螺貝」を意味する。
古代インドよりヒンズー教においても、法螺貝から出る音は、神仏を呼び、勝利と聖者の栄光を讃えており、
仏教や密教では、法音を意味し、邪気をはらい純白で清浄であることのシンボルともされている。

純銀(Silver925)で、精緻に彫刻されたカーラ(鬼面)神。カーラは死の神「ヤマ」の別名とされ
寺院などの入り口を守る鬼神であり、インド神話では、食欲旺盛な魔物で、最後には、自分の体を食い
下あごまでも食してしまったとされる。一種の魔除けでしょうが、なんとも剽軽で愛らしい!

中心には、ドルジェ(ダブルドルジ)・密教法具のカツマ(羯磨)があり、その周りには、チベットの吉祥文様である八吉祥
配置されている。法螺貝(シャンカ)、法輪(チャクラ)、吉祥紐(ベルべウ)、双魚(セルニヤ)、白蓋(ギェルツェン)、
宝傘(ドウク)、蓮華(ペマ)、宝瓶(ブムバ)。それぞれに興味深い図像で引き付けられる。


Sinistral Shellー 「仙螺」や「聖貝」と言われる左巻の貝。やはり、稀有で貴重な左螺旋

唐草紋も波頭紋のようでもありチベットの造形はなかなか興味深い。サイズ:35,5 cm 最大幅 16 cm