気になる逸品

柊鰯と節句蕎麦

立春の前日、つまり節句の日は、旧暦では大晦日なのです。 やはり、蕎麦を食べる風習があり節句蕎麦と言われている。 長野からの打ち立て蕎麦と、弱々しい青魚の鰯と、鋭い棘を持つ柊(ヒイラギ)を 並べてみるとなかなの藝術的風景。魔術的風景でもあり絶妙…

馬乗り狐

縁があって、素通りする逸品・伏見人形ですが、馬にのる狐とは、気になる。 火にまつわる稲荷神社の深遠な意味もあるらしく、大津絵にも同じ画題が〜。 かって、伏見稲荷を訪ねたおり、通りすがりに偶然見つけた伏見人形店は格式が高く、 ガラス越しに、古い…

扇面形向付

この春に、月に一度、開かれる古市で、なにげなく入手した志野焼きですが、 まさかとは思うけれど、日がたつにつれ、古いものかもと悩ましくなっている「シロモノ・白もの」 見込みには、葦文、意外にも、繊細に描かれた穂先。葦の葉が風に揺れなびく姿は、 …

香包・豪華みやび

光琳筆とされる香包(こうつづみ)3点も、折り目跡にそって作成してみました。 香道の世界・香を聞く席では、いっさい、匂いのする生花は禁じ、静かな光のもと、 掌のひらの上で、上下右左と順次広げられる香包は、絹地に金箔・箔押しされており、 輝き煌め…

夕顔

いただいた夕顔の苗を、おおきめの鉢に植えて見事に咲きました。 これが「源氏物語」や「能・夕顔や半蔀(はしとみ)」で知らされる幽玄なる夕顔の花なのかと! 妖艶でもあり、清楚でもあり、夕闇に咲いているのを発見した時には、一瞬、瞳目、ひきよせられる。 …

「かのこ斑点」と「連銭(れんぜん)型紋」

馬に描かれ斑点や斑(まだら)紋が、「かのこ紋」との関連で思いだされる。 この作品は、この春の長谷川等伯展で見ためずらしい「牧馬図屏風」部分 ミゴトな駁毛(ぶちげ)、まだら馬、描画技法「たらし込み」で出来る形状だ。 かなり思い込みのある描出なのだが…

魚屋北渓・貝つくし

やはり、魚屋北渓(ととやほっけい)に、貝を写した優品があり、 一昨年の「写楽・幻の肉筆画―ギリシャに眠る日本美術―マノスコレクションより」で 写楽の魅惑的で繊細すぎる肉筆に固唾をのみ、そして、 北渓の小さな狂歌摺物「貝つくし」にも、見惚れたのを思…