スコータイ様式の仏頭



タイの仏像によくみられる頭頂部に、タイ語で「ラッサミー」と呼ばれる火焔状の装飾を戴き、
放射されている光をあらわしています。

髪の生え際を細い帯状線が巡る特徴をもつウートーン様式もみられるが、
頭の螺髪(らほつ)の、ひとつひとつが小さく作られており、顎が、ややとがった卵形で、
鷲の嘴(くちばし)のような鼻梁(びりょう)と弓をはりつめたような眉。
そして、目尻のあがった眼差しと、高貴な印象をあたえる容貌などは、
スコータイ様式と解説されている。この様式は、アユタヤに引きつがれ
プレ・アユタヤとよばれる頃の範疇にはいる様式かなと想像される。
残念ながら、首から後頭部下に亀裂が入っているが、様式を、よく伝えている仏頭だ。
スコータイ美術は、13世紀中から15世紀初頭で、タイ美術の魅力の一つとされている。