宗達・朝顔と杜若

宗達にも朝顔図があったはずと探してみました。

俵屋宗達・扇面貼交屏風(六曲一双・出光美術館蔵)部分
この見ごたえある屏風には、二十の扇面が散らして貼り付けられているが、
朝顔図の左上には、花弁が8枚の、泰山木らしき花の扇面があり驚かされる。
この時代、泰山木はまだのはずですし、この花に似た朴の木にしては葉が小さすぎるし…
花の名がきになるが、今回は朝顔

扇面の朝顔を回転し屏風の桟を取り編集加工した画像ですが、むら雲的なたらし込み
帯は、奔放で、剛毅な空間を表出しており、「松島図」の洲浜を思い出させるが、
扇子として、順次広げた時の、このたらし込みの現れ方は絶妙まちがいない。
この屏風には、いま一つ、注目したい扇面・杜若図もある。


ラビットイヤー・アイリスと言われるウサギの耳をもつ杜若が跳びはね躍動的ですが、
背景のむら雲的手法は、やはり12世紀・平安後期の料紙装飾・紙継ぎに似ており、
宗達は500年前の王朝の美学を研鑽し取り込んでいたことになる。
ちなみに、現代から500年前は、ちょうど宗達の生きた時代です。
ちなみに、宗達から約80〜100年後に光琳が…
しかし、この放射状に描かれた杜若は瑞々しく、砂子の背景と相まって絶品ですね!
たしかに、杜若は、生き生きと放射状に描きたくなる。
アイリスは、ゴッホや、モネも好んで描いているが、宗達のが珠玉と言い切りましょう。