川喜田半泥子のすべて展

半泥子(1878−1963年)の雅号は、「半(なか)ば泥(なず)んで、半ば泥まず」だそうで、
今一つの雅号は「無茶・無茶法師」。  銀行の頭取など務められた財界人とは、ギザ驚愕ですが、
初めての全貌にふれられる作品群に、時間を忘れて魅了され、泥眼は覚醒させられました。

呼継・銘「ねこなんちゅ」
皆さんが、「珍ワン(碗)、珍ワン(碗)」というから、「猫が見たら、何と言うでしょう?」から名ずけられたとある。
見つけた黄瀬戸小皿を底にして、焼成した胴の部分を呼継・よびつぎ(合体)している。
猫掻き手はなさそう。


片身替り・銘「寝物語」
着物の小袖など、左右を別の生地や模様、色合いなどの変化を片身替り・かたみがわりと言い、
桃山時代より流行している。片肌脱いだ桜吹雪の遠山の金さんなども、片身替りか!
寝物語という里の地名が、美濃と近江の県境にあり、宿では、境越しに寝ながら話しができたそうだ。
違う国の陶土を半分づつ用いて合体させたところから、この銘とある。
釉薬による指痕は、こんなに手の痕跡を残してアッケラカンと…。ミゴトさにコンチキショ!
銘(タイトル)も英語なら「ピロートークかな…、なんとも艶っぽい。マイッタな!
複写・転載;「川喜田半泥子のすべて」展カタログ、2010




深い木立にかこまれた美しい美術館。カフェ・レストランも、磨かれた床の本格的なたたずまい。
バラ園が望まれ、ワインもはんぱではなく、残念ながら車できており、コンチキショ!
ついでに、美術館前に蕎麦の名店があり行列。近くの鰻屋もなかなか。さすが伊勢の県庁所在地です。
官庁や市庁街には、かならず老舗の鰻屋が!