錦絵の黄金時代ー清長、歌麿、写楽


名古屋ボストン美術館
5万点にのぼる、貴重な浮世絵コレクションで知られるボストン美術館の名品から、
清長の優品38点。歌麿の優品56点。写楽21点など約140点が展覧されている。
鮮やかな発色が保たれ、錦絵と呼ぶに相応しい黄金時代の作品が競演し行列する。
十頭身美人の清長と婀娜(あだ)で小粋歌麿のバリエーションにも堪能させられるが、
写楽の背景を黒雲母で塗りつぶした大首絵が、4点並ぶコーナーは圧巻。
これほどカラフルで華麗な色彩の写楽に出会えるとは、しばし感動。
写楽の華やかな3点を、カタログ図版より転載。



   画像転載;「ボストン美術館浮世絵名品展・錦絵の黄金時代ー清長、歌麿写楽」図録より

歌麿から白雲母を使った優品を一点。
梅香ただよう桃色の内掛けと、前帯の黒い幾何学文の対比は絶妙で、
その上のレモンイエローが、また瀟洒
片身替りのように、半分の顔をのぞかせて、正面を見据え視線をおくる禿(かむろ・童女)は、
なんとも粋な描出だが、すえ恐ろしい眼差しかも!