豊田市美術館・童子苑

フェルメール《地理学者》とフランドル絵画展で賑わう豊田市美術館を訪れる。
谷口吉生氏設計の美術館は、夏の日差しを受けやはり美しい。


2階レベルにひろがる大池。かっての城山(童子山・七州城)の上、さらに高く広大な屋上プール。
空中に浮かぶ池泉といえば、アルハンブラ宮殿が思い出され、匹敵かな!

美術館前の空中に浮かぶ大池を巡り対岸にある、和風庭園の童子に。
谷口吉生氏・設計の素晴らしい木造数寄屋造の広間席・「一歩亭」があり、ディテールが、まことに美しい。
深い庇を支え林立する柱は、美術館の前、横一列に並ぶ柱に対応しており、同一のメソッドや美学が興味深い。
「一歩亭」には、立礼席(りゅうれいせき)があり、内空間に入り呈茶がいただける。
私には、美術館以上に評価されてよい設計者の優れた感性と滋味あふれる数寄屋建築だ。

路地越しに、小間茶室が佇む。杉苔も美しく感嘆!

低く穏やかな屋根と深い軒が新鮮で優雅な「豊祥庵」

左の入口から、右方の「一歩亭」玄関へ。打たれた飛石にも凝視させられる。二三連打ちかな!

茶樹(ツインで植えられている)越しに正門、そして美術館を遠望。閑寂(カンセキ)なアプローチ

玄関前の石燈籠。四方竹に囲まれているが、夕刻の点灯された燈火を見てみたい。
笹の葉ごしに、足元に落ちる灯は、かなりのもえ世界にちがいない。

美術館ファサードの柱とルイットの柱が、呼応し相対しており興味深い。

今回は、強い日差しのもと、ソル・ ルイットの、この立方体作品の凄さと美しさを、再認識させられた。
砂利の上ではなく、芝生の上に設置されているのを見てみたい。

カロの赤錆る鉄も屹立して美しい。 
しかし、砂利と芝生の境界に設置されており気になる。カロの意向かな! あえて境界上に立てるという。