本阿弥光悦・桃山の古典

本阿弥光悦の携わった名品が、なんと150点が揃うという恍惚の展覧会。
私には琳派創始者で原点でもあり、宗達との接点を探れる稀にみる至福の鑑賞で
二日続けて五島美術館に出向く。


光悦の描いたものとされる数少ない扇面

中箱書きには宗達筆とあるが、近年では故山根有三氏が光悦の絵と推定されているが、はたして!
それにしても魅惑的な香合。

黒楽茶碗の逸品ぞろいのなか、今回は、赤楽茶碗の銘「祇王」(右)に瞠目させられる。
赤楽のおおくは赤土を用いているが、白土の上に黄土を塗り、透明釉をかけて明るい発色と輝きを出している。
口縁は外に反り、山道は広くその野趣に富む形状に魅かれる。


5点の蓮下絵百人一首和歌巻断簡のうち、今回初めて公開の断簡は、宗達の垂らし込みが特に素晴らしく息をのむ。