静嘉堂美術館その2 付藻(つくも)茄子と松本茄子(紹鴎茄子)

静嘉堂美術館にて、念願の加茂なすの形が印象的で、天下人の垂涎であった「茄子茶入」に出会う。

織田信長豊臣秀吉徳川家康に愛でられた「付藻(つくも)茄子]と「松本茄子」は、大阪夏の陣(1615年)で
大阪城とともに消失したかにみられた。しかし徳川家康の命により、焼け跡から探し出され、
塗師・藤重父子による超絶で精緻な漆による繕いによって破片から甦った。


大名物 唐物茄子茶入 松本茄子(左)と付藻(つくも)茄子(右)。
やはり、この「まろやかなふくらみ」とでも言える造形を愛でる感性は、日本-大和の特性なのか〜!

足利義満からの伝来を誇るこの茶入れは、「作物・つくも」「九十九髪・つくもかみ」とも記され戦国武将・松永久秀
織田信長に献上し、かわりに大和一国を安堵されたという逸話が知られ各種茶会記でも高く評価されてきた。
本能寺の変、そして大阪夏の陣で罹災するが、塗師・藤重父子による超絶な修復で再び形を現わした。


千利休の師・武蔵紹鴎が所持した三つの茄子茶入の一つ。「山上宗二記」において、天下の四なすびの中でも
第一に挙げられる。秀吉の「北野大茶湯(天正15年)」にも台子に飾られ最上格の茶入とされた。
文庫創設120年、美術館開館20週年の記念展だけに、茶道具の名品がならぶ。
参照・画像転載;静嘉堂美術館パンフレットより。