花の窟神社・御綱かけ神事

紀伊・熊野にある、岩窟を祀り、長い縄による綱かけ神事で知られる花の窟(いわや)神社を訪れる。

イザナミノミコトを祀る御陵であり、日本書記にも書かれている巨岩・磐座信仰の拝所であり社殿はない。




目前には、七里御浜熊野灘がひろがる雄大なロケーションで、「ニライカナイ」を彷彿。

熊野古道那智の滝など「紀伊山地の霊場と参詣道」の世界文化遺産にも登録される日本最古の神社とか。

2月2日の例大祭の直後であり縄が新しく、この時期は椿の花が飾られ、日の丸の扇がみえる。

昔の祭日には、紅の縄、そして朝廷より献上の錦の幡、金銀にて花を作り散らし、火の祭りと云いしとある(寛文記)
大岩の上から海岸に張られた「お綱」は海の果てにある常世と現世、そして黄泉の国をわける結界であり、
生と死と再生の地とされる熊野を象徴する古代からの神事・祭祀である。

御神体の壁龕の前には伊弉再尊(イザナミノミコト)の御霊と神霊を祀る玉垣をめぐらした拝所で
白い玉石が敷き詰められている。大きなくぼみは「ほと穴」と呼ばれ墓所とされる。

高さ45mの岩壁から吊るされる縄の造形はなかなか勇壮な神事。