桃山陶-多治見市美濃焼ミュージアム
「た禰さんからの贈り物」
故・加藤た禰は、膨大な桃山陶を「電燈所 た禰コレクション」として寄贈した人物で、
その郷土愛から収集した 黄瀬戸、瀬戸黒、志野、織部など美濃の名陶をたずねる。
黒織部茶碗 三角文と格子文、内面に吊るし柿文。
外側には、大胆で、あまりにも豪放に箆(ヘラ)で縦彫する掻き落とし。
志野茶碗 格子文とあるが、片面(左下)は檜垣文であり、神の依代となる網干や籠目文が美しい。
青織部向付。外形は笠(傘)形であり、内側に竹。外側に吉祥の垂れ幕の紋様。
青織部向付。格子・網目文と花文
青織部向付。型打ち成形され、底面には半環足が3個つけられ、
緑釉と鉄絵が片身変わりに施されている。外形は、やはり鳥か!
青織部向付。三角の鋸歯(きょし)文と松。上には菖蒲か!
注・画像は多治見市美濃焼ミュージアムカタログから複写
http://www.tajimi-bunka.or.jp/minoyaki_museum/
朱漆「根来」展・MIHO MUSEUM
朱漆「根来」中世に咲いた華 展(会期9月1日〜12月15日)を観る。
強靭で洗練された素(木)地。そして、日本古来よりの朱漆の塗法による光彩は
ペインテングそのものの究極の一面をみせていると思われてならない。そして、
縄文より愛でられてきた祭祀性をもつ「朱」と黒の魔力には引き付けられる。
MIHO MUSEUMの一翼にある特別展会場エントランス。
400点を超す「根来」の優品は、過去最大規模で、初日(日曜)の混雑をさけ2日目にでかける。
左はサントリー美術館所蔵。右はMIHO MUSEUM所蔵。本来は一対の「瓶子」として神前に供えられて
いたと考えられ、今回の同一空間での並置は、愛好者にとっては待望の展示。
「輪花盆」 黒沢明監督が旧蔵していた優品・現在は北村美術館蔵
「根来に囲まれた黒沢明監督(1960年代)」と記されている。
黒沢映画「蜘蛛巣城」など、たびたび根来が使われ愛蔵家として知られる。
「蜘蛛巣城」では、原作のシェイクスピアの「マクベス」の第2幕にあたり、山田五十鈴が
能楽のように静かに、装束も素晴らしく手には黒沢監督愛蔵・根来の瓶子。
二つの朱と黒の「瓶子」と「角切折敷」や「湯桶」は、かって私が求めた愛蔵品。
参照;黒漆瓶子 黒根来・黒漆絵瓶子 - 原健 ブログ
参照;朱漆瓶子 朱漆・根来瓶子 - 原健 ブログ
参照;黒漆の瓶子黒漆の瓶子 - 原健 ブログ
MIHO MUSEUM HP http://www.miho.or.jp/
MIHO MUSEUその1−江戸絵画の奇跡 展
ファインバーグ・コレクション展「江戸絵画の奇跡」を甲賀市の山中にあるMIHO MUSEUMでみる。
俵屋宗達「虎図」・葛蛇玉「鯉図」など期待どおりの素晴らしさに凝視と詠嘆。
設計は、ルーブル美術館のガラス・ピラミッドで知られる建築家I.M.ペイ。
床、壁とすべてトラバーチン(ライムストーン)で、自然光が降り注ぎ、テーマは桃源郷とのこと。
展示空間も贅をつくしたゆとりで、コレクションも中央アジアの古代美術は特筆もの。
宗達「虎図」ーこの柔らかくふくよかさ。宗達の技量にあらためて感服。
会期中に展示替えがあり、この水墨図は、28日で終了とのことで馳せさんじた次第。
葛蛇玉(katsu jyagyoku)「鯉図」
かって、プライス・コレクションの「雪中松に兎・梅に鴉図」では圧倒された葛蛇玉の鯉図。
五枚の桜の花弁や波紋、そしてカラフルな柳に目を奪われ、しばし眼福。
祇園井特(ぎおんせいとく)「化粧美人図」 玉虫色に輝くという、緑色をした笹色紅
太い眉もなかなかで、江戸と異なる京美人の化粧は、京独特の美意識であり興味つきない。
参照;笹色紅ーhttp://d.hatena.ne.jp/takeshihara/20120308/p1
図版は、カタログより複写・転載いたしました。
若冲や岸岱(がんたい)にも注目。会期中に2回の展示替えがあり目がはなせない。
原健の版画・福岡市美術館
福岡市美術館 常設展近現代美術の小作品室(2階常設展示)にて
2013年4月9日〜5月12日
初期の1968年制作作品から1986年までの代表作品18点が展示されています。
それぞれ、私の記念的なエポック作品が、対とともに時代順にならび感慨ある展示となっていました。