ニキ・ド・サンファル展

国立新美術館にて、ニキのアッケラカンとした色彩や造形は
日本的な情緒や湿潤など、意にかいさない拒絶するかのような造形の
そのいさぎよい世界には期待にそぐわず魅了される。
「仏像・ブッダ」と題された作品は、
京都旅行で接した仏像から触発されたそうですが、
この仏像にはイメージを覆させられて唖然!
その美しさに覚醒させられる。


        


2001年 凧に仕立てる企画展「アートカイト」展(日本・欧巡回)では
光栄にもニキ・ド・サンファルの作品に対面して展示されている。
この和紙に描いた「STOROES」は、大凧で知られる浜松で凧にしたてられた。

古代アンデスの文化ー ラルコ博物館 2

首都リマ(ペルー)のラルコ博物館を訪れるー2


1926年ラファエル・ラルコ(1901〜1966)は25歳でラルコ博物館を設立した。父親の援助を受けながら、
多くの発掘現場で調査を続け、モチェ文化を科学的に発見するに至り
考古学遺物のコレクションは4万5000点にのぼる。
http://www.museolarco.org/




ラルコ博物館を代表する器。モチェ文化ー地方発展期(BC1〜AC8世紀)
生け贄の儀式。敗者の血を注いだ器がモチェの代表的な神々に捧げられている。


インカ文化・帝国期(1300年頃〜1532年)
代表的な土器は、両脇に持ち手のついた、底の尖った尖底土器で、正面にはネコ科獣神の
小さな顔が表現されている水信仰の儀礼用土器である。


モチェ・ワリ(ワリ影響下のモチェ文化)ワリ期ー地方王国期(AC8〜13世紀)
菱形のなかに杖を持つ人物の文様ー織布

チンチヤ文化(AC13世紀〜1532年)
ななめの帯状に波打つ蛇(ドラゴン)がネコ科動物(ジャガー)や鳥(コンドル)の図像とつながる。




ワリ文化・ワリ期ー地方王国期(AC8〜13世紀)
階段文様の両端に鳥や獣人の頭部を表した布の断片横糸の細さは世界2位で
1インチ(約2,5cm)に304本の横糸が織り込まれている

チンチヤ文化(AC13世紀〜1532年)
ラクダ科動物や幾何学紋様による織物の断片。世界一の極細糸で作られた布で、
1インチ(約2,5cm)に398本の横糸が織り込まれている。

古代アンデスの文化− ラルコ博物館1 土器・土偶 

首都リマ(ペルー)のラルコ博物館を訪れる。

プレ・インカ時代の考古学遺物の膨大なコレクションは4万5000点にのぼり、
主流をしめるモチェ文化土器(紀元前後〜800年頃)には魅了される。
http://www.museolarco.org/


モチェ文化土器(紀元前後〜800年頃)のおもな儀礼用土器には、2つの様式が認められ興味つきない。

◯ 立体的な写実性に優れ、単色または2色で、鐙(あぶみ、馬具のくら)の柄をもつもの:北部式

◯ 多色彩で、2つの注ぎ口の間にわたされたアーチ(橋型双注口)を特徴とする;南部式















クメール美術・観音菩薩 仏頭 青銅

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タイを中心にしたインドネシア半島の仏教美術にはいいつくせぬ魅力がある。
コレクションしたこの仏頭は、円筒形の宝冠をいただき正面には阿弥陀如来の化仏が
頭上に置かれていることから観音菩薩であり瞑想する表情が素晴らしい!
顔の様子は一種独特で、眉毛は左右につながり、鼻は低く広がる獅子鼻で口唇の厚いモーン族の
ドヴァラヴァティ(タイ語でタワーラワディー)様式のながれをくんでいる。
そして、アンコール美術のバイヨン様式や、宝冠の表面上にあらわされた
線刻の幾何学的な意匠文様は、タイのロッブリー期の特長であり、
クメール系のロッブリー美術ならば、12〜13世紀の様式かもしれない。
SiemReapの骨董店にて求める。青銅 高さ17cm横12,5cm
[:W500]

横顔の彫刻的造形は素晴らしい存在感をもち、
背面から見る髪型や髪は繊細で、緻密な表現力には感嘆させられる。

ミャンマーとタイの仏像 1




ミャンマー・木彫如来形座像 44 x 19 x 10 cm
タイのチェンマイ・アンティーク ショップにて、ミャンマーの19世紀仏像とのことで入手。
鋳造とちがい木彫によるオリジナルで旅行者には重宝する軽さ。
台座は高く盛りあがり、結跏趺坐(けっかふざ)で座し、耳や手、体表は平板で頭頂には徳利型の髻(もとどり)をのせるは、
ミャンマー仏に見られる17,18世紀の特徴のようで
顔は丸く童顔で可愛らしい表情も供えている。

如来座像 木彫 31,5 x 12 x 11 cm チェンマイにて

右 ; 如来座像 木彫 11 x 7,5 x 4,5 cm


如来座像 青銅鍍金 9,5 x 4,5 x 1,7 cm
チェンマイフリーマーケットにて、金の鍍金が美しい。

タイ・チェンマイにて

2015年1月、チェンマイに7日ほど滞在。
タイ北部にあって文化などの中心地であり「北方のバラ」と
称され「タイの京都」とも呼ばれている。
かってのラーンナータイ王国の首都であった美しい都で、
多くの魅惑的な寺院・ワットが点在して、
隣接するミャンマーラオスそして中国雲南などの
様式や文化が複合し多様化しており興味深い。
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Wat Phra Sainghにて



Wat Chiang Man

Wat Pan Tao

Wat Pan Taoお


Wat Jed Yod

Wat Chedi Luan

ガイドしていただいたチェンマイ大学美術学部
Prof.Thongchi Yukantapornpさんには深く感謝。

本阿弥光悦・桃山の古典

本阿弥光悦の携わった名品が、なんと150点が揃うという恍惚の展覧会。
私には琳派創始者で原点でもあり、宗達との接点を探れる稀にみる至福の鑑賞で
二日続けて五島美術館に出向く。


光悦の描いたものとされる数少ない扇面

中箱書きには宗達筆とあるが、近年では故山根有三氏が光悦の絵と推定されているが、はたして!
それにしても魅惑的な香合。

黒楽茶碗の逸品ぞろいのなか、今回は、赤楽茶碗の銘「祇王」(右)に瞠目させられる。
赤楽のおおくは赤土を用いているが、白土の上に黄土を塗り、透明釉をかけて明るい発色と輝きを出している。
口縁は外に反り、山道は広くその野趣に富む形状に魅かれる。


5点の蓮下絵百人一首和歌巻断簡のうち、今回初めて公開の断簡は、宗達の垂らし込みが特に素晴らしく息をのむ。